心に浮かび、かつ消えゆくよしなしごとが、永遠に消えてしまわないように、そこはかとなく書きつけてみようと思います。

2009年6月28日日曜日

しばしの再会

今日、一年半ぶりくらいにKALS(医学部編入予備校)時代の友人に再会した。

友人といっても年は僕よりもひとまわり以上うえで、かつて接骨院を開業していた彼は、昨秋鹿児島大学医学部の編入試験に合格。これまでの柔道整復師としての経験を生かしつつ、より患者さんの悩みに応えられる外科医を目指して、シラス降る大地で第二の学生生活を送っている。

今回はたまたま部活動関係で宮崎大学との交流があり、久々の再会を果たすことができた次第である。

実際に話すことができたのはほんの数分だったかもしれない。それでも僕にとっては十分に刺激的で、懐かしい再会だった。先日、今年度の鹿児島大学医学部編入試験があったらしく、話題の中心は二人の共通の友人たち。予備校時代の友人で、今も医学部入学を目指している人たちの懐かしい名前がいくつか挙がった。サラリーマンをして管理職まで務めた人、教師をしていた人、大学を卒業してすぐの子などバックグラウンドは様々であったが、共通の目標を持ち、共に学び、語った仲間たちである。久々に激励のメールを送ってみようかな。

自分も同じように受験勉強をしていたのはわずか1年半前。「みんな頑張っているんだなぁ。」と思うと共に、自分の最近の生活を振り返り、身が引き締まる気がした。

どうしても閉鎖的になりがちな医学部での生活。こうして時折友人に再会して刺激をもらえるのはとってもありがたいことだなぁとつくづく思う。

2009年6月19日金曜日

clinical communication

気づいたらもう6月半ばすぎ。宮崎は梅雨入りしてからめっきりまとまった雨が降りませぬ。

それにしても最後に日記を書いたのがインドネシアにいた2月。あれからはや4ヶ月の月日が流れたのかと思うと本当にびっくりです。

無事2年生に進学して、今年は部活も勉強も去年よりは楽にこなせるだろうと思っていましたが、ふたを開けてみると音楽祭での和太鼓のステージが終わった先週の土曜日までは本当にぎりぎりの毎日でした汗。

ラグビーではポジションがバックスからフォワードに変わり、目下80kgを目指して増量中です。

これから少しは時間と心に余裕が出てくるはずなので、少しずつ、時間を作って物事を考えていこうと思っています。


つい数日前にイギリスのバーミンガム大学でClinical Communication を教えていらっしゃるSkelton先生という方が来宮され、僕たち2年生の有志むけに診察の場を模したロールプレイを中心とした授業を用意してくださいました。

個人的にはコミュニケーションが大きな課題だと思っているので、ふむふむなるほどー、と思いながら授業に参加していたのですが、その中で教わった基本的な診療の流れをここに書き留めておこうと思います。

診療に限らずちょっとしたミーティングやディスカッションでも利用できそうだなぁとも思いました。

ポイントは4つ。

順に、
1. ask open questions
2. checking understanding
3. summarising
4. negotiating
です。

それぞれについて簡単に説明すると、

1.ask open questions
closed questions つまり「いつから調子が悪いのですか」などの答えが限定されてしまう質問ではなく、「どうなさいました?どのようにお考えですか?」などの患者さんがなるべく多くのことを話せる質問を選んで、そこから必要な情報を引き出す努力をするということだそうです。なるほど。

2. checking understanding
医師は自分の説明が患者さんにきちんと伝わったと思い込みがちであり、患者さんは分かったつもりになりがちです。したがって、不安があれば理解度をそのつど確認することが大事になってきます。


3. summarising
患者さんの言ったことをまとめたうえでリピートすることで、患者さんの言っていることをこちらがしっかり聞いていることを示します。自分の中でしっかりとまとめることで、自分にとっても理解の深化につながります。うん、大事。

4. Negotiating
診断を付けた上でどのような治療方針をとるか。これは患者さんと相談した上で決めるべきであるといいます。例えば、What would you like to do? などと聞くことをとおして。この部分の意識は日本の医師には非常に少ないと思います。以前ウガンダでボランティアをしているときに、同僚の医師は自分ではっきりとした治療方針は示さずに、患者さんに「どうしたいの?」と常に聞いていて、自分の感覚では医者らしくないなぁ、それでいいんだろうか?と思っていましたが、今思えばこれが患者中心の医療の形なのかなとも思います。


とこんな感じでした。診療の場面に限らず、ちょっと使えそうじゃないですか?当たり前のことではあるのかもしれないけど、何かの機会に利用してみたいなーと思える、そんな four points lesson でした。