心に浮かび、かつ消えゆくよしなしごとが、永遠に消えてしまわないように、そこはかとなく書きつけてみようと思います。

2009年7月14日火曜日

常に礼意をつくし…

「常に礼意をつくし、故人の期待に応えるべく努力せよ」

今日、約2か月半後に迫った肉眼解剖学実習にむけてのガイダンスがありました。

この実習は「検体」といって「死後自らの遺体を人体解剖学の教育・研究に役立させるために医学・歯学の大学に無条件・無報酬で提供し」ていただいた方々によるいわば究極のボランティアによってなりたっています。

日本における最初の検体は明治2年、34歳で亡くなった遊女、美幾という人でそのいきさつについては渡辺淳一の「白き旅立ち」という小説に述べられているそうです。

医学生はこの人体解剖実習を境に顔つきが変わると一般に言われています。先生は、ご自身が実習を受けられていた当時の気持ちを「自分がそれまで一緒に過ごしてきた友達とは違った感覚が形成されてしまうのがどうしょうもなく怖かった」と話してくださいました。

実習を経て、自分がどのように変わり、どのように変わらないのか、不安と期待が同居しているというのが今の自分の正直な気持ち。

そしてその前に、検体としてご自身の体を提供してくださった方々、その家族のご期待に応えられるよう、夏の間にしっかりと準備をして実習にのぞみたいな、と強く思いました。

ここに書き留めておくことで自分自身に対する戒めになればよいなと思います…