心に浮かび、かつ消えゆくよしなしごとが、永遠に消えてしまわないように、そこはかとなく書きつけてみようと思います。

2010年11月27日土曜日

外側を剥ぎ取れ

カンヌ映画祭でスタンディングオベーションを巻き起こしたというのだから、皆さんはすでにご存知かもしれない。昨夜、宮崎で唯一マイナー映画を中心に上映する宮崎キネマ館にてドキュメンタリー映画『BENDA BILILI!』を見てきた。

先日、友人が中心となって写真展のイベントを開催した際に、広報にご協力いただいたUNICEF協会の方からたまたま教えていただいた映画で、前々から見るのを楽しみにしていたのだが、学祭などに忙殺され、気付けば宮崎では昨日が上映最終日。駆け込みセーフだった(ふう)。


タイトル BENDA BILILI はコンゴ民主共和国の部族語のひとつであるリンガラ語で「外面を剥ぎ取れ」つまり「内面をみよ」という意味らしい。

映画の舞台はアフリカの中心、The Bleeding Heart of Africa とも形容されるコンゴ民主共和国。もともと一つの国だったものが、川を挟んでコンゴ民主共和国とコンゴ共和国に隔てられた歴史があり、地域紛争による内乱で非常に情勢が不安定な国という印象を持つ方も多いのではなかろうか。

そんなコンゴ民主共和国の首都キンサシャで、障害を持ちつつも楽器を演奏し、力強く生きる路上生活者たちが、コンゴを愛する2人のフランス人映像作家にその音楽の才能を見こまれ、Staff Benda Bililiというバンドを結成。その強烈なエネルギーとアフリカンなリズム感、どん底から世界を見つめた歌詞でヨーロッパを席巻するまでのドキュメンタリーである。

あまり詳しい内容に触れるとネタばれになってしまうので、ここには映画を見て感じたことと、1つ印象に残った歌の歌詞を残しておきたい。

もうアフリカに思いをはせるようになって久しいが、実はフランス語圏のサブサハラアフリカには一度も行った事がない自分。でも、映画を見てフランス語圏も英語圏も関係ない事が分かった。見慣れたアフリカの街並み、人々の活気、独特の訛り、それは僕がウガンダやザンビアで見てきたものとなんら変わりはなかった。ドキュメンタリー映画だけに、他のアフリカを扱った映画と比べても、抜群にアフリカの生活感がにじみ出た作品になっていると感じた。

そして貧困から抜け出す手段として音楽がこんなにも魅力的でしかも即効性があるということにも、改めて驚かされた。今後、スタッフ・ベンダ・ビリリのメンバーがどのように活躍を続け、自分達がかつて暮らしていた路上生活者、ダークサイドの社会に対してどのような影響を及ぼしていくのか、その成功を社会にどうやって還元して行くのか、関心を持ち続けて見守っていきたいなあ。

スタッフ・ベンダ・ビリリの歌は、歌詞というよりも、そのテンポとメロディがとても印象的だが、なかでも印象に残ったのはコンゴの象徴ともいえる曲、「マルゲリーテ」である。ある意味ベタなないようではあるが、当事者がうたっているからこそのメッセージ性が感じられる。その歌詞を映画のパンフレットから抜粋しておきたい。

マルゲリーテ(http://www.youtube.com/watch?v=3fYeUosFiBw)

マルゲリーテ 俺の妹
俺たちは同じ親の元に生まれ
弟や妹がそのあとに続いた

今では家族は離ればなれ
おまえは川の岸辺に
俺はその対岸に
お前の形態はヴォーダコム
俺の国にはテレセルしかない
俺はこっちの川岸で独りぼっち

食える日もあれば食えない日もある
ツイてる日は誰にでもある
今日はお前 明日はあいつ
すぐにお前の番がめぐってくる

マルゲリーテはコンゴ共和国に
ココはコンゴ民主共和国に
忌々しい川が二人を隔てる

川によって隔てられた二国に住む兄弟に焦点を当てたこの歌。アフリカに行った事がない人はちょっとピンと来ないかもしれないが、今やアフリカでは携帯が大流行、歌詞の中に携帯が出てきて、しかも通信業者が国によって違うため、国を挟んで通じない、という事情がなんとも現代的でリアルだなぁと思った。


この映画を見て、なんだかすごく元気をもらった。そしてまたアフリカに帰りたくなった。スーダンに留学する来年の2月がますます待ちきれなくなった、FRIDAY NIGHTでした!

そんな映画、BENDA BILILI。そしてバンド STAFF BENDA BILILI。
興味のある人はぜひ、このホームページ(http://bendabilili.jp/bendabilili.html)を覗いてみて下さい♪

まつりのあと・・・

先週末、19~21日にかけて、大学の学園祭がありました。期間中は、所属している国際保健医療サークルの展示と和太鼓の舞台でてんやわんや。太鼓の演目「飛龍火祭り」での大太鼓挑戦を終え、展示の片付けもすませ、文字通り、祭りの後、一抹の寂しさを覚えています。

お世話になった皆さん、ご迷惑をおかけした皆さん、温かく見守っていただいて本当にありがとうございました!!

そしてブログの更新履歴を見てみると…すでに2か月の月日が流れていました。この間、色んな意味で限界に挑戦し、良くも悪くも自分の新たな側面を見る事が出来ました。

これからしばらくは、心にも時間にも余裕があるので、新たに見えてきた自分達としっかりと向き合ってどうやったら少しでも成長できるのか、腰を落ち着けて模索していきたいと思います♪

まずは、最近こわばっている声音を緩めてあげるところから、少しずつ、少しずつ始めて行きたいな。